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福原愛さんには、どうしても東京五輪に出てほしい 〜たとえば台湾の帰化選手として〜

今、女子卓球がヤヴァイ。
『ガラスの仮面』『アタックNo.1』『アラベスク』などを読んで育った、「スポ根系少女まんが大好き勢」の人に聞いてほしい。

こんなにアツい展開が、ノンフィクション×リアルタイムで起こっている現実こそがヤヴァイ。もう物語いらない。 事実は小説より奇なり……。

もうフィクション要らないじゃんよと絶望しそうなので、この記事では「女子卓球の今(実話)」「もしこの物語の作者だったら(空想)」の2つを書いていきます。敬称略。

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▲中高の頃に試合した東京体育館。全日本も会場ここなんだもんなぁ……。


■福原愛の功労
日本に卓球というマイナースポーツを広めたのは、福原愛とタモリの2人が代表でしょう。私ももれなく「愛ちゃんに憧れて卓球を始めた子どもたち」の1人でした。

福原は、幼少期から数々の最年少記録を塗り替えたことで有名になりました。4歳でマスコミに注目され、10歳でプロ宣言し、15歳で五輪出場。しかし上には上がいる。さらに強い、先輩がいる。福原が世代関係なく「日本一」の称号を手に入れるのは、もっと、先のことです。


■石川佳純とかいう2世の出現
そんな福原の最年少記録を次々と塗り替えたのが、石川佳純。
小6にして全日本卓球選手権に出場して高校生や大学生を敗ったことで話題となり、インタビューではこう答えます。

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▲NHK金曜プレミアム『だから君を見つめてきた~卓球愛ちゃん独占密着24年・完結編~』のキャプチャ

「愛ちゃんみたいに強くなりたいです」。
これをきっかけに、石川は「愛ちゃん2世」として有名に。でも当時中3だった私は、アイデンティティ確立前に「2世」とか言われて本名で呼ばれないのは心外なんじゃないか!? と心配になりました。

そんな石川が、夢の福原と試合できたのは、16歳の全日本選手権。準々決勝戦でした。
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▲日本テレビ「Sports&News」のキャプチャ

「やっぱり愛ちゃんは強いな、って思いました」と泣くカッス。ちなみに優勝は中国人の帰化選手っていうね、やっぱ上には上がいるわけです。

そして2年が経ち、18歳の全日本選手権では、いよいよーー

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▲テレビ東京「世界卓球2011ロッテルダム」のキャプチャ


福原を制して、石川、悲願の優勝です。

……っと感動するもつかの間、そのまた2年後の全日本選手権では福原が挽回して優勝します。そう、この時こそ、福原が「日本一」の称号をやっと手にした勝利だったんですよ実は! つい5年前ですよ! 意外と最近でしょ!?

ただ、福原 vs. 石川のどっちが一番? とか言っていられる暇もないくらい、2人はお互いに勝ったり負けたりを続け、世界ランクとしては石川>福原>平野(※平野は福原・石川の台頭までずーっと日本一だった元エース)の状態で出場したロンドンオリンピックでは、日本初の銀メダルを獲得できたのです。いや〜、これは泣いたね!

しかし肘の故障&手術(練習できない)という悲劇が福原に訪れます。そんなこともあって、しばらく日本トップの世界ランクは石川が独占し続け、
リオ五輪でもエースは石川。ーー弱り目に祟り目、よりによってリオ五輪の期間、福原は足を故障してしまいます。

団体戦では死ぬほど惜しくも振るわなかった福原に対して、石川は全て勝利しつづけ、結果としては銅メダルを獲得。福原のピンチを石川が救ったといっても過言ではないチームワークでした。




肘も足も故障して、体が悲鳴をあげている福原は、リオ五輪をもって結婚・休業します。引退こそしていないものの、福原の一つの「分岐点」であることは間違いありません。

NHK金曜プレミアム『だから君を見つめてきた~卓球愛ちゃん独占密着24年・完結編~』では、Aimerの「蝶々結び」にあわせて、福原に関係する人々がメッセージを届けるシーンがありました。そこでの、石川のメッセージは……

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▲NHK金曜プレミアム『だから君を見つめてきた~卓球愛ちゃん独占密着24年・完結編~』のキャプチャ


ねえカッス可愛すぎかよ……。
アイデンティティ確立前に「2世」とか言われて本名で呼ばれないのは心外なんじゃないか!?
→この考えがいかに愚かしかったか、10年越しに思わされたよね!?




■第2のライバル関係、美宇・美誠
と、福原 vs. 石川の構図だけだったらなんかまだストーリーとして凡庸だったんですよ、問題はこの「華の2000年生まれ」こと、伊藤美誠・平野美宇・早田ひな。ここに加藤、浜本も入れてもいいかもしれない。


「優勝の賞金50万円!」と言われて驚いている顔で一躍世界で有名になったこの二人がダブルスを結成したのは、なんと3歳。

ずっと、「みう・みまは不滅」と言われてきた中で、リオ五輪に出られたのは美誠のほうだけ。

悔しさをバネにした美宇は、ほんの半年で無敵キャラに変貌します。

石川を制し、世界ランク上から3人の中国人を全員倒し、ホントここ半年で「世界イチ目をつけられている日本人」に変化したのです。

この辺はテレビ番組のほうがよく特集しているので割愛して「いかに美宇のキャラがイケてるか」だけ書く。

1.アイドルヲタで、よく踊る
2.コメントが秀逸
・中国で特訓してから、全日本で石川佳純に勝った時
”中国で練習すると、日本人のボール全部遅く見えるんです。自分、帰化選手だっけ?って思いました”

・アジア杯で丁寧(世界ランク1位)に勝った時
”腰抜けた…(本当に腰を抜かして)”

・アジア杯で優勝した時
”日本の国旗が真ん中で、この構図ナニ!?って感じ”

・福原愛の結婚式に参列して
”シンデレラの衣装が超似合っているというか、本家登場って感じ。完全に福原さんのほうが本家”
美宇が石川に勝った時、石川が鬼の形相をしていたので「もう口利かないんじゃないか、日本のチームワークが悪くなるんじゃないか……」と怖かったのですが、何より石川がWeiboで美宇の優勝を報じる記事に"Like"していたので良かった、本当に良かった......。「高め合える仲」バンザイ……。

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左・皆にバレてる石川のプライベートアカウントいいね履歴右・石川オフィシャルWeiboアカウントのLike履歴


■もはや福原の戻る隙がない件
でですよ、今、美宇・美誠が切磋琢磨して「世界一」を目指している中、同世代の早田ひなもいれば、美誠より世界ランクが高い陰キャラこと佐藤瞳もいて。さらに言わずもがな、女王・石川がいるわけで。

このままでいくと、東京五輪に出られる3人は「石川・美宇・佐藤」か、「石川・美宇・美誠」、「美宇・美誠・早田」の線もアリ……とかって考えると、もはや再開した場合の福原の居場所がないわけですよ。

でもね、お願いだからこの動画をご覧ください!
10秒!! 10秒だけだから!!!
まだダブルス組んでないじゃんよ……。

この2人の夢の共演を見ずに死ねないじゃんよ……。

そんなわけで、こちらで勝手に考えたストーリーを聞いてください。


2020年、東京五輪。日本代表は石川、美宇、美誠。
シングルスの決勝戦はーー美宇(日本代表) vs. 福原(台湾代表)だったのだ。

そう、福原は日本からの帰化選手として、台湾代表となって東京五輪出場を可能にする。
決勝戦5ゲーム目、14-15。福原は、4年前に涙を飲んだ「エッジボール」が入り、優勝してしまう。
シングルスのメダルは、金・台湾(福原)、銀・日本(美宇)、銅・中国(丁寧)と、史上初の台湾が金メダルを獲得したのだ。
しかしながら団体戦では、金・日本、銀・中国、銅・ドイツ。台湾はメダルに届かない。
そう、日本が世界一だと誇れるのは選手の技術と、何よりーーチームワークだったのである。
その素晴らしさに気づいた福原は、やっぱり日本に戻り、「愛・美宇」のダブルスを実現させるのであった。


そんな風にうまくいかないから卓球は奥深いのだよ。
まぁ、本心としては、福原選手は世界中の人に夢と勇気を与えてくれましたので、引退か続行かは、ご本人の意思が一番大事ですし、どちらとしても応援するのですけどね……。私の気持ちをお伝えします……。
ってなわけで明日から世界卓球、開幕。
ガンバレ、日本。ガンバレ、世界!
そして一般会社員の自分は、もらった勇気を仕事に活かす!


by macadamia725 | 2017-05-28 19:41 | 日常のネタ | Comments(0)

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